オールデンを5足履くまでに、6足手放した話 — 4ラストの実測サイズ記録

ラスト辞典

この記事の結論

いま履いている5足にたどり着くまでに、6足手放しています。
小さすぎて4足、緩すぎて2足。
足長255mm・足囲235mmの私が、オールデンのラストを4つ履いてきました。Barrie・Modified・Van は 7.5D、Aberdeen だけ 8D。ただしここにたどり着くまでに、6足手放しています。小さすぎて4足、緩すぎて2足。その記録です。

小さすぎた4足

ラスト買ったサイズ何が起きたか
Barrie(9751)7.0結構履いたが、窮屈さが最後まで消えなかった
Modified(54321)7Dストレッチャーを使っても、きつさが取れなかった
Van(スエードローファー)7.0そもそも履けなかった
Aberdeen(2210・NST)7.5DModified の 7.0 よりきつく感じた

緩すぎた2足

靴状態サイズ何が起きたか
664(Aberdeen)中古8.0前の持ち主の足に合わせて広がっていた
563(Aberdeen)新品8.0なぜか緩く感じ、手放した

いま履いている5足

ラスト品番靴の種類ソールサイズ
Barrie9751ロングウィングチップダブルレザー7.5D
Modified54321Vチップシングルレザー7.5D
Van99162ペニーローファー(日本仕様)シングルレザー7.5D
Van987LHS ペニーローファー(黒)シングルレザー7.5D
Aberdeen664(新品で購入)タッセルローファー—8D
Plaza—未所有——

足長255mm・足囲235mm。すべて Horween シェルコードバン、すべて D ウィズ、すべて同じ足での記録です。Aberdeen だけが半サイズ上がります。

なぜこの比較に意味があるのか

オールデンのサイズ感を書いた記事はたくさんあります。ただ、その多くは書き手が違うか、1〜2ラストしか実体験がないかのどちらかです。

足の形は人によって違います。ですから「Barrie は◯サイズ下げ」と言われても、それを書いた人の足が自分と同じでなければ、そのまま当てはまりません。

このページは、足を1つに固定しています。足長255mm・足囲235mmの、同じ人間の足。条件が揃っているぶん、ラストそのものの違いだけが数字に出ます。

Aberdeen の 7.5D は、Modified の 7.0 よりきつかった

これがこの記事でいちばん驚いた点です。

失敗した Aberdeen は 2210(NST/Uチップ)の 7.5D でした。ローファーではなく紐靴です。そして履いた感触は——Modified の 7.0 よりきつい。

数字の上では半サイズ大きいはずの靴が、それより小さいサイズの別ラストよりきつく感じた。ラストが変わると、体感で一サイズ近く動くことがあるということです。

「自分のサイズは 7.5D」と分かっていても、その数字を別のラストにそのまま持ち込むと失敗します。

「ローファーだから」ではありませんでした

最初、私はこう疑っていました。

Aberdeen が +0.5 なのは、664 がローファーだからではないか。ローファーは脱げないよう小さめを選ぶことが多いので、ラストの違いとは言い切れない。

この疑いは、2つの事実が消してくれました。

ひとつは、Van の 99162 です。こちらもローファーですが、7.5D で収まっています。もし「ローファーだから+0.5」なら、これも 8D になっていたはずです。

もうひとつは、失敗した 2210 が紐靴だったこと。ローファーでなくても、Aberdeen は 7.5D で入りませんでした。

つまり——アバディーンというラストそのものが小さい。そう考えるほかありません。

アバディーンは細身でつま先がシャープ、甲も低い木型です。よく言われる「アバディーンは小さめ」という話に、自分の失敗という形で裏が取れてしまいました。

Aberdeen 以外は、サイズが動きにくかった

紐靴とローファー、シングルソールとダブルソール。性格の違う4足が、同じ 7.5D に収まりました。

  • 9751:ダブルソールの重いロングウィング
  • 54321:土踏まずの絞りが強い Modified
  • 99162:日本仕様で甲が高めのペニーローファー
  • 987:本国仕様の LHS ペニーローファー

これは断定ではなく、1人ぶんのデータから見えた傾向です。ただ、「オールデンはラストごとにサイズが全然違う」と身構えすぎなくてもいい——そう考える材料にはなると思います。

そして、下げてはいけない

サイズが動きにくいということは、下げても大丈夫という意味ではありません。

私は4回、半サイズ小さく買って、4回とも買い換えています。Barrie、Modified、Van、Aberdeen。ラストも革も違うのに、ひとつも入りませんでした。

失敗の仕方が3通りだったことも、書いておく価値があると思います。

スエードのローファーは、そもそも履けませんでした。これが効いています。コードバンは硬くて動かない革ですから、54321 が入らなかったのは「革のせい」と言い訳ができました。ところがスエードは柔らかく、足に合わせて動いてくれる革です。それでも 7.0 は入らなかった。革の問題ではなく、寸法として足りていない、ということです。

54321 は、ストレッチャーを使ってしばらく粘りました。それでもきつさは取れず、手放しました。

9751 にいたっては、結構な期間履いています。それでも窮屈さは最後まで消えず、結局 7.5D に買い換えました。「履いていれば馴染む」がいちばん通用しそうな条件で、通用しなかった。

同じ Van ラストの中でも、境界がはっきり出ています。

Van ラストサイズ結果
スエードのローファー7.0✗ 履けなかった
991627.5D○
9877.5D○

そして4回とも、半サイズ上げたら解決しました。Barrie も Modified も Van も 7.5D で。Aberdeen は 8D で。

ただし——「なら大きめを買えばいい」という話にはなりません。私は緩すぎる方向でも2足手放しています。

なぜ四度も同じ間違いをしたのか

理由ははっきりしています。ぶかぶかの靴で、かっぱかっぱと音をさせて歩くのが、とにかく嫌なんです。

そこに「履いていれば伸びるかも」という、革靴への妄信のようなものが重なります。この2つが組み合わさると、試着の時点できついと感じていても、半サイズ下を選んでしまう。

いま振り返って思うのは、私が恐れていたのは「大きいこと」ではなく「大きくなること」だったということです。

革は伸びる。だからいまちょうどよければ、いずれぶかぶかになる。それなら少しきついくらいから始めたほうがいい——この理屈が、四度とも私を裏切りました。

たしかに革は馴染みます。ただしそれは、幅や甲まわりが足の形に沿ってくるという話です。長さが増えるわけではありません。買った日にきつかった靴は、四足とも最後まできついままでした。

とはいえ、「かっぱかっぱ」への恐れが的外れだったわけでもありませんでした。緩い靴で実際に2足失敗しています。

緩すぎて手放した2足

中古の 664 は、前の持ち主の形になっていた

最初の 664 は中古の 8.0 でした。届いてみると、結構緩い感じに広がっている。おそらく前に履いていた方が幅広だったのだと思います。嫌気がさして、手放しました。

そのあと新品の 664 を買い直したら、ぴったりでした。同じモデル、同じサイズです。

中古の革靴は、前の持ち主の足の形が残っています。これはサイズ表記だけでは絶対に分からない部分です。表記が自分のサイズでも、その靴はもう別の誰かの足に合わせて変形しているかもしれない。

私は中古のオールデンを否定しません。実際に価格は魅力的です。ただ、「サイズが合っていれば買い」ではない——それだけは、6足手放した経験から言えます。

563 も、なぜか緩かった

563 は新品で購入しました。それでも緩く感じて、結局手放しています。前の持ち主のせいにはできません。

サイズは 8.0。いま履いている 664 と同じサイズです。

つまり Aberdeen の 8.0 を3足履いて、中古の664は緩く、新品の563も緩く、新品の664だけがぴったり。同じラスト、同じサイズで、結果が割れています。

理由ははっきりしません。ただ、タッセルローファーは個体差があるのかもしれないと思っています。断定はできません。1人が3足で感じたことにすぎないので、そういう仮説を持っている、という程度に読んでください。

同じことを感じた方がいたら、コメントで教えてください。事例が集まれば、もう少し確かなことが言えるようになります。

ラストごとのメモ

Barrie(9751 / ロングウィングチップ)— 7.5D

程よいゆとりと、程よいフィット。一言で言えば、間違いのないラストです。

9751 のほかに 9901 と 1340 も履いていました。どちらも同じ 7.5D で問題ありません。Barrie は複数のモデルを通じて、サイズが安定していました。

(9901 と 1340 は手放しましたが、サイズが理由ではありません。単に登場回数が少なかったからです)

Modified(54321 / Vチップ)— 7.5D

私が一番好きなラストです。土踏まずからの押し上げが気持ちいい。1963年に矯正靴用の木型を改良して生まれたという成り立ちが、そのまま履き心地に出ています。見た目で選ぶラストというより、歩いて分かるラストです。

なお、このラストだけは 7D で一度失敗しています。その経緯は個別ページに書きました。

→ Alden 54321 の実測サイズとリペア記録

Van(99162 / 987)— 7.5D

履き口の前方で、いい感じにホールドしてくれます。ローファーとしての収まりがよく、7.5D でちょうどいい。

Van はもともとモカシンのために作られた木型で、オールデンではローファーにしか使われていません。

99162 と 987 の違いは、正直そこまで感じません。

99162 はラコタハウスの日本仕様で、本国モデルより甲がやや高め・長めに設計されており、日本人の足に合うとされています。ただ私の足では、987 も同じくらい履きやすい。

理由はおそらく、私の足囲が細いからです。(足長255mmに対して足囲235mm。日本人男性向けの既製靴が標準とする EE〜3E より、はっきり細い部類です)甲が高めに設計されていることの恩恵を、あまり受けていないのだと思います。甲高の方なら、違いをはっきり感じるかもしれません。

見た目については差があります。99162 のほうがノーズが長く、少しスマートな印象です。

参考までに、2026年8月時点のラコタハウス表示価格は 99162 が ¥240,900、全サイズ完売でした。

Aberdeen(664 / タッセルローファー)— 8D

いま履いているアバディーンはタッセルローファーだけなので、その前提で。

履き口が広いぶん、Van よりホールド感は少し落ちます。若干のサンダル感というか、気軽に履ける、ちょいリラックスフィットという印象です。見た目の影響もあるかもしれません。

半サイズ上げた 8D で、いまはぴったりです。

Plaza — 持っていません

このラストは所有していないため、書けることがありません。

推測で書くこともできますが、このページの値打ちは「実際に履いた足の記録」であることなので、空欄のままにしておきます。入手したら追記します。

サイズ換算の参考

ラコタハウス(オールデン日本総代理店)のサイズガイドでは、US 7.5 = 25.5cm とされています。

私の足長は実測 255mm。表記どおりの実寸ジャストが、結果的に正解でした。

ただしこれは Aberdeen 以外の話です。同じ足でも、ラストによって半サイズ動くことがある——それがこのページの主旨です。表を鵜呑みにせず、必ず試着してください。

まとめ

  • 足長255mm・足囲235mmで、Barrie / Modified / Van は 7.5D、Aberdeen は 8D
  • 5足にたどり着くまでに6足手放した。小さすぎて4足、緩すぎて2足
  • 柔らかいスエードでも、長く履いても、きつさは消えなかった。小さい方向の失敗は、あとから直せません
  • 緩い方向でも失敗しています。「大きめを買っておけば安心」でもありません
  • 「自分のサイズ」を別のラストにそのまま持ち込むと失敗する。Aberdeen がそうでした
  • 中古は前の持ち主の形になっています。サイズ表記だけでは分かりません
  • あくまで1人ぶんのデータです。あなたの足長と足囲を測って、この数字と引き算してください

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